ピアノを巡る親子バトル。解決策と、子供をやる気にさせる効果的な方法。

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ピアノを習っていると必ずと言っていいほど「親子バトル」が繰り広げられます。
大体小学校の3年生~思春期終えるころまでにみられるピアノあるあるです。

生徒のお母さま方から一番多い相談事はコレかもしれません(笑)

私もそれなりに激しい反抗期がありました!
小学校4年生頃から始まり中学時代が一番ひどく、高校時代には収まっていました。

どうして親子バトルが起こってしまうのか?
子供はどんな気持ちで反抗しているのか?
結局のところ解決策は?
何より子供にピアノに対して真剣に取り組ませたい。

これらのことを自身の経験や周りから聞いた話をもとにまとめていきたいと思います。

Sakiピアノ教室主宰、飯沢紗希

  • 音楽一家に生まれ、3歳からピアノ講師である母親にピアノを教わる
  • 桐朋学園大学卒業後、ピアノ教室開講
  • 我の強い子どもで、母親と猛烈な親子バトルを経験

自身の経験から、ピアノ練習における親子バトル、子どもの練習に悩む方へ、相談窓口を設けています。

ピアノ学習者、保護者のための相談窓口

目次

親子バトルって?どうして起こってしまうの?

「親子バトル」でピンと来る人、来ない人さまざまだと思いますのでここでどんなことが起こるのか簡単に説明します。
親子バトルがあるからダメ、ないからイイ!とは全く関係ありません。
子供が自立への成長の証でもありますが、親の方は穏やかに接せられないですよね。

一般的な親子バトルとは「練習してほしいのに反抗(怒る、泣く、言い訳する)して全くしてくれない」ということ。

大きく見ると練習においての親子バトルです。
私が実際に母親に対してやってきたことはこちら⇩

  • 母とのレッスン中(小5まで母に習っていました)、直されたのに腹を立てて弾かずレッスン中断
  • 練習中に親が練習部屋に入って何か言ってきたら、急にやる気がなくなりそこで練習終了
  • 「練習したの?」と聞かれる前に、就寝準備
  • ピアノを辞めたいと話す→「進学校にも行きたくないから東京出て美容系の専門学校行く」と資料請求(笑)
  • とにかく弾かない
  • ピアノに当たる
  • ピアノの話はなるべくされないように過ごす

主にこんなところです。
まとめるとたったこれだけですが、母の中では本当に悩んだことだと思います。

ピアノを巡るバトル、どうして起こるのか?

どうしてピアノを巡って親子バトルが頻繁に勃発するのでしょうか?
特に親のどちらかがピアノ経験者であればバトルの起こりうる%はより高くなります。

親の気持ちと、子供の気持ちのギャップが大きくなればなるほどバトルの激しさも増していきます。

主に聞く親の気持ち

  • ピアノは毎日練習しないとダメ
  • ピアノは安いお月謝じゃないから勿体ない
  • ピアノが弾けたら絶対楽しい
  • 自分も小さいときやっていたが、もっとしっかりやっておけばよかった
  • あ、今の音間違えてる!教えてあげなきゃ
  • 先生がこういっていたのにあんな弾き方してる
  • ピアノ弾かないならやめてしまいなさい!

一方反抗する子供の気持ち

  • ピアノはお友達いないからつまんない
  • 毎日弾かなきゃいけないのめんどくさい
  • 皆TV見たり遊んだりしてるのになんで私(僕)だけピアノなの?
  • もっと遊びたかった
  • 弾けないから嫌だ
  • 分かってるのにいちいち言ってこないで
  • 分かってるのにうるさいなあ
  • それくらい自分でできるよ、うっとうしいな

こんなところです。

ちなみに私の経験からして

  • 皆が〇〇やってるのに私だけピアノ。〇〇したい!=ピアノ弾きたくない
  • いちいち言ってこなくてもわかってる!=言われるとやる気なくなり弾きたくない

この気持ちが大きかったです。

親の立場からすると、特にピアノ経験者であればピアノは毎日弾かないといけないということを知っています。
実際ピアノはレッスンだけ通っていても上達は難しいです。
なので子供のやる気を起こさせるためにいろいろ手を打ちたくなりますが、逆効果を生んでいる場合があります。

ある程度の学年になってくると、「しないといけないこと」と「したいこと」が違うことが分かってきます。
でも子供ながら「しないといけないこと」をどのタイミングでやろうかと一生懸命考えているんです。

大人でもそうですよね。

私にとっては家事はしないといけないことですが、したいことではありません。
したいことはゆっくりコーヒー飲んで甘いもの食べて、弾きたいときにピアノ弾いて、ごろごろネットサーフィンして…です。
したいことではなく、しないといけないことをするには「よいしょ」が必要です。
そしていろいろ考えているんです。
なのに傍から色々言われるとイライラするんですよね(性格の問題?)(笑)

子供も同じで自分で考えていることがあります。
これをした後に練習しよう。と。
しかしそれを先回りされると思春期に入った子供は最高にいらいらします。

ピアノやってるからこんな嫌な思いする、辞めたい!とまで思ってしまいます。

親もそれを望んで声をかけているのではなく、ピアノの練習をしてほしいから言うんですが、全く逆の効果を生んでしまうことが多々あります。

私もピアノの上はティッシュでいっぱいでした。
それほど強制する親ではありませんでしたが、しないといけないと分かっているけどしたくなかったので、泣いて練習していました。

子供の反抗は成長の証

今まで親に言われるがまま練習してきましたが、あるところを境に子供がいろいろな物事について気持ちをはっきりと持つようになります。

  • 面白いこと→やりたい
  • 楽しいこと→やりたい
  • みんながやっていること→やりたい
  • 絶対やらなきゃいけないこと(宿題など)→やる
  • やらないと自分が恥ずかしい思いをするかも→やる

やりたいこと
やらなきゃいけないこと

やらなきゃいけないけどやりたくないこと
やりたくないこと

この境目は「自分にそれがどう返ってくるか、周りからどう見られるか」を考えるようになります。
やらないと、恥ずかしい思いをするな、痛い思いをするな、怖い思いをするな、それらのことが分かってくるとやりたくないことでもします。

この観点で、ピアノはどうでしょう?

  • 楽しい?面白い?→弾けたら楽しいけど譜読みがヤダ
  • みんながやってる?→レッスンでは先生だけ。周りとピアノの話なんてしない。
  • 絶対やらなきゃいけない?→親と先生に怒られるだけ。
  • 恥ずかしい思いをする?→親と先生くらいへっちゃら。

すべて当てはまらないんですよね、残念ながら。
ごくまれに曲を完成させる過程を好む子もいますが大抵「弾けたら楽しい」と答えます。
新しい曲は必ず譜読みの作業があり、弾けるまでの作業が膨大で、すぐ弾けないのが嫌なんです。

それが原因で子供の中ではピアノの優先順位が下がってしまうんです。

自分で考え選択ができるようになっているのです。
子供にとって反抗期は大きな進歩です。

反抗してくる子供に対して親が出来ること

とはいえ、練習してもらいたいですよね。
せっかく頑張ってきたのに(そして本人もピアノが嫌いではない!めんどくさいのが嫌なだけ!)、続けてもらいたいですよね。

そこで実際ご相談のあったお母様方にしているアドバイスをご紹介します。

練習に対して接点が多い方は接点を少なくして本人に任せてみる

まず、ずっと練習についてくださっているお母様方にお伝えするのが、

練習を本人に任せてみてください。

と言うことです。

このお悩みは小学校低学年の方~高学年くらいまでが多いです。
そしてお母様方が日ごろのバトルでピアノの練習に付き合うのがストレスになっている場合があります。

かといって何もしないわけではありません。

「練習できた?今日はどこを頑張ったの?」
「一人で分からなかったらお母さん呼んでね」
と伝えてあげてください。
そして新しくできるようになったらたくさん褒めてあげてください。
どんな些細なことでも構いません。

「一人で練習できたんだね!」
「こんなことできるようになったんだね!」
「お母さんに教えて!」
と、まずはどんな短い時間でも構いませんので練習できたことを褒めてあげてください。

1日の予定を書かせる

次に親の手から離れ、練習を子供に任せているのに「練習を自らしない」子供へのアドバイス。
小学校高学年~お悩みが多い問題です。

そして、これはどの学年でも使えますし、勉強にも使えます。

前日の夜か、当日の朝に1日の予定を書かせます。
自分でタイムスケジュールを組むんです。

ノートやいらない紙、なんでも構いません。
縦軸に時間、その隣にやることを書くんです。

例えば(休日)

7:00  起床
     朝食
9:00  TV、ゲーム
10:30  ピアノ
11:00  宿題
12:00  昼ごはん
13:00  遊ぶ
16:00  ピアノ
17:00  TV
18:00  夕食
19:00  お風呂
20:00  寝る準備
21:00  就寝

ざっくりとこんな感じで書かせます。
一日の予定をあらかじめ決めておくことで「ピアノ弾くからTV見れない」「ピアノ弾くから遊べない」と言うことが全く間違っていると分かりますよね。

上記日程だと盛りだくさんTV見て、遊んでますが、ピアノが1時間半も弾けています!

もちろん他の習い事があったとしても、丸1日朝から晩まで外出することがなければピアノの時間は大抵確保できます。

スケジュールを決めると何が良いかと言うとだらだら練習したり、だらだら勉強したりがなくなります。
大人も子供も何も計画を立てなければ、無駄な時間がたくさん存在しているのが分かると思います。

このスケジュール決めは特にパズルが好きな子ほど、このスケジュール組むのは得意で、ゲーム感覚でやってくれるでしょう。

月に一回家族演奏会を開催する

子供のモチベーションをあげるならコレ。
思春期に入ってしまうと難しいかもしれませんが子供は親に褒められるのが一番の自信になります。

「仕事で普段練習に付き合ってあげられない」とお悩みの方も「家族演奏会」の機会を作ってみてください。
月1回と決めてしなくても、曲が完成したらその日曜日に…でも構いません。

演奏会を行う利点は、お母さんもお父さんも、もしかしたらおじいちゃん、おばあちゃんまで、みんなが子供の成長を感じられます。

ピアノは人前で弾いて、褒められることで更に伸びていきます。

そしてピアノを続けるにあたって、一番効果的な方法は次です。

やる気にさせるにはピアノ仲間を作ること(ピアノに付加価値を)

ピアノは一人で練習し、一人でレッスンを受けます。
まるで一人だけ頑張っているように思います。

周りでピアノを習っている人がいても皆大っぴらに言いません。
発表会があってもお友達を誘ったりしません。
なぜか?

うちの子なんて…(親の気持ち)
失敗したらどうしよう…(子供の気持ち)

こういう気持ちが邪魔して、呼べないのです。
しかし、発表会こそ、子供が頑張って練習しているので、褒められることで一番伸びる時です!
発表会こそたくさんの人に聴いてもらうべきです。
そしてお友達の発表会にも足を運んでみましょう。

こんなにたくさんピアノを頑張っている子がいるんだ、と言うことに子供が気付きます。

もしピアノを習っているお友達が周りにいたら子供たちの前でピアノの話をしてみてください。
「今何弾いてるの?」
「今どれくらい練習しているの?」
「今度聴かせてね!」と。

※お母さんとの関係性もありますので、一度お母さん同士でお伺いしてみるといいかもしれないですね。

ピアノ仲間を作るというのは、思春期のどうもしようがない時期に一番使える手です。
子供たちの会話の中でピアノの話題が出るだけで子供たちは一気にやる気になります。

この時期は親がどう働きかけをしようが、本人の気持ちが変わらなければ行動は変わりません。

その時に一番影響を受けるのが身近にいる友達です。

最近ではユーチューブを好んでみる子供もいるので、ピアニストユ―チューバ―のチャンネルを一緒に見るもいいかもしれないですね。(その時にあまり感想を求めないように…)

そしてまだ学年が小さくピアノを自らの意思で弾くようになるまではピアノに対して付加価値を付けていくことも同様に効果があります。

教本でオマルが〇個付いたらこれしよう。

など。
ご褒美で釣るのが嫌な方もいるかもしれないですが、実際大人でも「頑張った自分へのご褒美」ありますよね。
それと同じです。

大きなものにせず、子供が喜ぶ、小さなことにしておくと負担がないと思います。

親子バトルは真剣にピアノと向き合っている証拠

親子バトルで悩んでいると、もう疲れるし辞めてしまおうか…と考えることもあるかと思います。

親子バトルが勃発し、それに悩むということはしっかりピアノと向き合っている証拠です。

ピアノを辞めなさい!と言われ続けて、音大まで行った友達もいます。
ピアノを辞めなさい!と言って辞める子もいます。

子供の性格はそれぞれなので、一概には言えないですが、反抗期が来ると関わり過ぎず程よい距離感を保つとお互いにとって良いです。

ピアノが伸びる生徒と言うのは、本人のやる気ももちろん大事ですが、ご両親の協力があるかないかでかなり変わってくる習い事です。
放任しすぎていると、子供は練習しないのが当たり前になり、親もそれに対して何も思わず、「上手にならないから辞める」という選択を取ってしまっていることもあります。(練習しないのに上手になるはずがありません)

しかし放任せず、ピアノとしっかり向き合った結果が親子バトルを生み出しているのです。

親子バトルはとても大変ですが、親の方が疲れないよう、少し物理的距離を置いてみてください。
そして、先生に今の状況を相談してみてください。

私は「ストレスになると思うので、何も言わなくて大丈夫です。しばらく私に任せてください」とお話しします。
親に言われると反抗することも、先生に言われるとすんなり受け入れることは多々あります。
それは親だから、素の自分をさらけ出しても大丈夫だ、と言う反抗できる安心感と甘えから来ています。

子供が何かのきっかけで意識が変わることが一番です。
それは人間関係やTV番組などピアノ以外の日々のいろんなものから影響を受けると思います。

ある日を境に突然ピアノに向き合いだすこともあります。

いろんな経験が音楽をより豊かにします。
人生経験がそのまま音楽になります。

その経験を積んでいる最中だと思って反抗期を気長に気楽に向き合ってみてください。

どこにも相談できない…とお悩みの方。

親子バトルの当事者(子供側)であり、ピアノ講師である飯沢がお悩みをお伺いいたします。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 一言お礼申し上げたく、コメントさせていただきます。
    現在年長娘×音楽経験なしの母で二人三脚でやってきましたが、最近、娘がとても嫌そうに、時に泣きながら自宅練習をするようになってしまい、悩んでいました。
    先生の記事を読み、問題点や年齢別の具体的な解決法が見え、大変参考になりました。
    娘は反抗期とまでは言えませんが、小学校入学を前に自立心や自尊心が膨らんでいる時期だと思います。これからは娘を信じて一歩下がって見守って行きたいと思います。
    また、お世話になっている先生の方からは、親が口出ししすぎと気づいてらしてもなかなか保護者へは言いづらいかと思いますので、このように記事にしてくださって、自分で反省する事ができ、とてもありがたかったです。
    有益な情報を提供してくださり、ありがとうございました。

    • コメントありがとうございます。

      小学校目前とのことなので、自分で出来ることが増えていくのが嬉しい時期でもあると思います。
      この先、もっともっと大変な時期が来るかと思います。
      お互いにストレスなく続けられる方法を見つけてください。

      先生にもご相談してみるのもいいと思いますよ。

      娘さんのピアノを1番好きでいてあげてくださいね。
      ぜひ長くピアノを続けてください。

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