「譜読みとは?」シリーズその2
- 音を読む
- 音の長さを見る
- 音の形を見る
- 指使いを確認する(決める)
- 書かれている記号を調べ、理解する
- 書かれていないことを感じて表現する
その1はこちら
今回は音の形、楽譜に強弱記号が何も書かれていないときにどのように音楽を作っていくか…についてです。
今回の内容も、Sakiピアノ教室の生徒にはまだ幼い生徒、習い始めの生徒~中級以上の生徒に指導している内容です。
毎回指導しているので、譜読みの時点でしっかりと自分で考え、表現してきてくれています。
例外(作曲者の指示有、その他要因)を除き、ほとんどの曲に当てはめることが出来る内容です。
この内容をしっかりと理解してできるようになれば、「ロボット」の演奏から脱出できますよ。
また、音の形を見ていくので、譜読みが楽になります。
音の形を理解する。上がっていると?下がっていると?
さて、実際どのように譜読みをし、何も書かれていない場所を表現していくか。
毎回、音楽の表現を文字にするのはとっても難しく感じますが…雰囲気だけでも伝わってくれればうれしいです。
まずは、その音の形、上がっていますか?下がっていますか?
音が上がっているときの表現方法
音が上がる=気持ちが高揚しているところです。気持ちが高揚するということは音の大きさはどうなっていくでしょうか?
答えは「大きくなる」です。
音が下がっているときの表現方法
先ほどと反対だと思ってください。
ということは答えは「小さくなる」です。
書いてしまえばたったこれだけのことなんです。
しかし、音がせっかく上がっているのにそのまま弾いたり、下がっているのにそのまま弾いたりしていませんか?
導入期や、初級の教本では、伴奏とメロディー奏法が基本ですので、これがとてもよく表現できます。
なので私は基本的なことはすべて初期から指導します。
楽譜が単純で生徒も理解がしやすいのです。
しかし、初級の中盤以降になってくると2声の曲になったり、メロディーラインが複雑になったり、長いフレーズで見るようになると、全体的には下がってるけど、ここは上がってる…だったり、とっても複雑になってきます。
基本の考えが出来ていないと、応用が利かないためとっても難しく感じ、理解が出来なくなってしまいます。
基本が出来ている生徒はどんなに複雑でも説明すると理解はしてくれます。
理解するのと実際にうまく表現できるのはまた別ですが…理解が出来ているということは目標が見えているということです。
音が左右で広がっている形、音の跳躍は?
右手の音が上がってるのに、左手の音が下がってる、そんな音型も良く出てきますよね。
ではさっきの流れで行くと、右はだんだん大きく、左はだんだん小さく?となってしまいますが、この場合はまた違った解釈が必要です。
音が広がる=エネルギーが大きくなる
音が左右で反対に向かっている場合、エネルギーがどうなっていくかを生徒に説明します。
私がよく使用するのは「輪ゴム」です。
本当はもう少し抵抗力のあるゴムチューブのような輪っかがいいんですが…
それを生徒に指先で持ってもらい、思いっきり広げてもらいます。
広げると、指先、腕に力が入り、輪ゴムは緊張状態になります。
一番輪ゴムが緊張する場所が「エネルギーが大きい場所」になります。
なのでそれをそのまま表現してもらうようにしています。
逆の場合も、「エネルギーが小さくなる」と言わなくてもわかってくれます。
そのエネルギーの山も、音の開きに比例して大きかったり中くらいだったりを表現してもらいます。
音の跳躍は遠くのものを踏ん張って取りに行くイメージで
音が順次進行で上がるわけではなく、跳躍して上がっている形も良くありますよね。
もちろん音が上がってる場合、下がってる場合、広がっている場合それぞれの表現方法になるのですが、跳躍しているのをうまく表現しなければいけません。
「近くのものではなく、今の場所から動かないで遠くのものを取ろうとしたとき、体はどうなる?」
を考えてもらいます。
おそらく、近くのものを取るよりも、体は緊張状態になり、しっかり踏ん張って手を伸ばしますよね。
そしてすぐには取って戻れないはず。
2つの音の間にはかなりのエネルギーが発生しています。
そのイメージのまんま表現しましょう。
音の形をそのまま表現する。人間らしい演奏を。
今本当に簡単なものを説明しましたが、これをそのまま素直に表現すればいいんです。
音が動いているのに、何もしないのは人間味がなく不自然な音楽になります。
これが「ロボット」みたいに弾くということです。
(※音が動いていなくても「音はどこかに向かっている」ということを常に頭に入れておきましょう。)
人間の話し方と、ロボットの話し方、何が違うと思いますか?
人間の話し方には「抑揚」が存在します。
嬉しいと声は高くなり、声は大きくなります。
悲しいと声は低くなり、声は大きくなります。
普段みなさんが意識せずに行っていることです。
声をピアノの音に変えて表現する、それが出来るようになると、先生から一歩先の指導が受けられるのではないでしょうか?
先生は楽譜に書かれていないこと、書かれているけど表現が難しいところを指導しなければいけないと思っています。
書かれてあることは生徒自身でできるはずですから。
今回の音の形での表現も、一部を除きどの曲にも当てはめることが出来ます。
楽譜を見るだけで理解することができ、続けていけば自然に表現ができるようになります。
今日の練習から意識して練習してみてくださいね。
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