普段新しい曲を譜読みするとき、どのように譜読みしていきますか?
その譜読み、本当に「譜読み」ですか?
「譜読み」とは何でしょうか?
譜読みとは
- 音を読む
- 音の長さを見る
- 音の形を見る
- 指使いを確認する(決める)
- 書かれている記号を調べ、理解する
- 書かれていないことを感じて表現する
簡単にまとめるとこんな感じでしょうか。
みなさん一番上の音を読むまでで止まっていませんか?
今回は「音の長さ」について大切なことをまとめていきます。
(連符などはまた別記事にさせていただきます。)
音の長さにはどのような意図が隠されているのか
音の長さは譜読みをする上で比較的認識がしやすい項目です。
ただし、この音がなぜこの長さで書かれているのかどんな意図が隠されているか、まで考えてみたことはありますか?
とっても難しいことのようですが、Sakiピアノ教室では小さい生徒でもレッスン中に取り上げています。
※今回の内容は大抵の場合に当てはまる内容ですが、拍子やその他の要因で当てはまらない場合もあります。
小さい子供にはリトミック的な考え方で音符の長さへの理解を高めていく
例えば、「音に合わせて動いてね」というのはリトミックの大前提ですが、小さい子供は本当に音に素直に動いてくれます。
例えばゾウさんの2分音符、ウサギさんの4分音符、ネズミさんの8分音符。
これをピアノで表現するだけでも不思議と音が変わってきます。
また、私がピアノを弾き、「誰が来たかな?」と質問すると、1音目で即答してくれます。
1音目ということはまだ次の音を弾いていないので本来なら音符の長さは分からないはずなんです。
それはどういうことかというと、私が弾く前に行う呼吸を聴いて、体の動きを見て自然と感じとってくれています。
徐々に音符の組み合わせを覚えていく。リズムはT、S、E。
様々な音符の組み合わせが「リズム」です。
小さい子供へのリズムのアプローチは、まずは身近な言葉から入ります。
例えば4分音符と2分音符の組み合わせのリズムの場合…
ステーキ、ヒコーキ、パトカー、ピーマン、トースト、ケーキ、ビール、ルビー、スキー…etc.
しばらくしていくと生徒自らリズムを考えてきてくれます。
生徒が考えてきたリズムは今度はピアノで弾く前に手や楽器を使ってリズム打ちします。
その時に意識させるのがT、S、Eです。
T「タイム」、S「スペース」、E「エネルギー」です。
T、S、Eを意識すると音楽が変わってくる。
音符(リズム)の持つタイム、スペース、エネルギーをしっかりと理解することで音楽がガラッと変わってきます。
このタイム、スペース、エネルギーは音の長さに比例します。
よく楽譜で出てくる8分音符と2分音符を例に見ていきます。
まず8分音符。
ではタイムは4分音符の半分の長さ、全音符(4拍とします)の8分の1の長さなので短く。
次にスペース。これは手をたたく動作で分かると思いますが狭くなります。
手を早くたたくのに幅を広くたたいてしまうと間に合いませんよね。
最後にエネルギーは小さくなります。
2分音符の場合を見ていきます。
もう先ほどの8分音符で分かっていただけると思います。
タイムは長く、スペースは広く、エネルギーは大きくなります。
これをしっかりと理解しておくだけで正しいリズムの表現ができるようになります。
私の生徒たちには、分かるまで、身につくまで何度も何度も説明しています。
もちろんその時の生徒が分かる言葉で伝えます。
T、S、Eが覆される要素、指示がある=作曲家が伝えたいところ
冒頭にお話しした通り、大抵の場合はタイム、スペース、エネルギーの法則が活きてきます。
ただし、例外はもちろん存在します。
それは作曲家が意図して書いていることです。
例えばシンコペーションのリズムがあると、拍子とリズムの強拍と弱拍がちぐはぐになります。
(※拍の感じ方についてはまた別記事で書こうと思っています。)
あえてちぐはぐに書かれているところをすんなりとサラッと弾いてしまっていいのでしょうか?
また、T、S、E的には弱い細かい音符にアクセントがついていたり、スタッカート、テヌートなどの記号がついている場合、これも見逃してはいけません。
他のものでもそうですが、方程式(自然な流れ)に当てはまらないところというのは、作曲者があえてそう書いているところです。
それも方程式(自然な流れ)を理解していないと、分かりませんよね。
それをどのように弾くかは曲や前後の内容で変わってくるのですが、まずは自分でそれに気づくこと、そして、「なぜ?」と考えてみることが大切です。
ぼんやり音符を眺めて弾かず、しっかりと読んで譜読みを進めましょう。
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