巷では「ピアノ」を認識されているものはたくさんあります。
- アコースティックピアノ(グランドピアノやアプライトピアノ)
- 電子ピアノ
- キーボード
主にこの3つが世間一般的にピアノと呼ばれるものです。
しかし、「ピアノ」は1番のアコースティックピアノだけになります。
電子ピアノやキーボードは鍵盤のある家電製品の類になります。
今回はピアノを習うにはどんな楽器を準備したらよいのか、よく質問をいただくのでピアノの先生である私の考えをお伝えします。
Sakiピアノ教室主宰、飯沢紗希
- 音楽一家に生まれ、3歳からピアノ講師である母親にピアノを教わる
- 桐朋学園大学卒業後、ピアノ教室開講
- 我の強い子どもで、母親と猛烈な親子バトルを経験
自身の経験から、ピアノ練習における親子バトル、子どもの練習に悩む方へ、相談窓口を設けています。
結論:ピアノを習うにはアコースティックピアノに勝るものはない
ピアノを習うにはアコースティックピアノが1番です。
ピアノの習い事に何を求めるかにもよるかもしれませんが
- ピアノが上手になりたい
- ピアノを通して音楽を楽しめるようになりたい
と考える方はアコースティックピアノをおすすめします。
アコースティックピアノと電子ピアノ、キーボードの違いを知れば、ピアノの先生が「ぜひアコースティックピアノを」と言っているのが分かるかと思います。
アコースティックピアノと電子ピアノ、キーボードは音の鳴る仕組みが全然違います。
家庭環境、居住環境の問題で、電子ピアノやキーボードしか置けない方も、ぜひアコースティックピアノの音の鳴る仕組みを知っておいていただきたいです。
アコースティックピアノの音の鳴る仕組み
アプライトピアノやグランドピアノのように電源の無いピアノはいったいどのように音が鳴るんでしょうか?
以前インスタグラムに”ピアノの内部を意識しよう”という投稿をしました。その時の画像を引用させていただきます。
ピアノの中には弦が張られています。
鍵盤のもっと先にハンマーがくっついています。
鍵盤を押さえると、てこの原理でハンマーが動き、弦をたたきます。
ハンマーが弦をたたくのに合わせて、弦を押さえているダンパーが上がり、音が鳴ります。
ピアノの内部にある響板に響いて大きな音が鳴り響きます。
鍵盤が元の位置に戻ることでダンパー、ハンマーが元の位置に戻り、音が消えます。
なので、弾いている人のテクニックで音色の変化が生まれます。
音が広がり、飛び、沈み、色んな音色が表現できます。
ここがピアノの本当の難しさ、楽しさです。
伝えたいことを音で伝えることが出来るように、練習を重ねるのです。
電子ピアノとキーボードの違いは?音色は作れないのか?
電子ピアノとキーボードもまた違いがあります。
電子ピアノのほうがアコースティックピアノに近いです。
電子ピアノもいろいろあり、ちゃんと鍵盤が木で作られているものを選ぶと、タッチはピアノに近くなります。
最近の電子ピアノは音色も工夫されており、アコースティックピアノに近い音が出せ、強弱も付けられるようになってきていますが、音はやはり機械音。
これは電気を使って音を出しているため、しょうがないことです。
音色を作るのには限界があります。
キーボードは鍵盤が薄く、88鍵ないものもあります。
持ち運びには便利ですがピアノを習うのであれば、88鍵はせめてあってほしいなと思います。
電子ピアノやキーボードではピアノは習えないの?
ご家庭の環境でアコースティックピアノを置けない方も多くいらっしゃると思います。
特に都会ではマンション住まいの方も多く、騒音問題も挙げられます。
実際、私の教室の生徒も電子ピアノで練習している子はたくさんいます。
決して習えないわけではありません。
しかし、構造が違うことは理解をしておいた上で選んでください。
私も含め、多くの先生方は「しっかり音色のことまで教えたい」との思いでアコースティックピアノを勧めています。
私ももしアコースティックピアノの購入を検討されていたら迷わず勧めます。
やはりそれだけの違いがあるのです。
電子ピアノだとレッスンを進めるうえでこんなことが起きるという事例をご紹介します。
- 教室で音色づくりをしても家に帰ると分からなくなる
- 教室のピアノの音が大きく感じる
- 教室のピアノが重たく感じる
- 教室ではできたのに鍵盤のタッチの違いで家ではできなくなる
- 電子ピアノが壊れて練習が出来なくなった
全くの別物だからこそ、レベルが上がってきたときに混乱が起きます。
特に鍵盤のタッチの違いは大きく影響してきます。
重かったり軽かったり、鍵盤の深さが違ったり、鍵盤の戻りが違ったり。
アコースティックピアノの場合は調律で調整が出来ますが、電子ピアノは変えられません。
また、電気を使う電化製品のため、壊れることもあるようです
実際にレベルが上がり、アコースティックピアノに買い替える方もいらっしゃいます。
電子ピアノやキーボードが悪いわけではない。
決して電子ピアノやキーボードが悪いわけではありません。
お教室のピアノでレッスンを続けているとある程度のことは出来るようになります。
その先を考えると、物足りないということです。
電子ピアノもキーボードも色んな機能がついていますので、それをうまく利用して、楽しく学ぶことは出来ると思います。
でももし、音楽を本格的に勉強したいのであれば、是非アコースティックピアノを。
ご家庭の環境の問題アコースティックピアノが置けない場合でも、音の鳴る仕組みが全く違うことは念頭に置いて、楽器選びをしてくれたら、先生としてありがたいです。
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