ピアノ教室には足台が必ずあります。
どうして足台が必要なのでしょうか?
門下生のお母様方からも足台の質問は多くあります。
大きい子だと、小3くらいから足が下に届きます。
私は小5頃にやっと足が床につきました。
それまでは足台がないと足が宙ぶらりんに…
雑誌や他の足台でも構わないので、できればご準備していただきたいものです。
Sakiピアノ教室主宰、飯沢紗希
- 音楽一家に生まれ、3歳からピアノ講師である母親にピアノを教わる
- 桐朋学園大学卒業後、ピアノ教室開講
- 我の強い子どもで、母親と猛烈な親子バトルを経験
自身の経験から、ピアノ練習における親子バトル、子どもの練習に悩む方へ、相談窓口を設けています。
足台が必要な大きな理由
まず、ピアノは指だけではなく、体全体で弾きます。
実際にピアノは鍵盤を下げて音を鳴らすため、指だけで弾いているイメージがあるかもしれません。
指だけでは大したことはできません。
重さもないですし、88鍵(横幅約150cm)のピアノを弾くことは出来ません。
まずは姿勢から見直してみましょう。
体を支えるのは足
ピアノを弾く時は椅子に座って弾きますがお尻で体を支えるわけではありません。
普段、椅子に座っている時はあまり体を左右に動かしません。
そのためお尻を深く腰掛けても大丈夫です。
しかし、ピアノを弾く時には体を前後左右に動かす必要があります。
必ず重心移動が必要なのです。
では座っている時に、手が届きそうで届かない位置のものをとる時をイメージしてみてください。
どのように取りますか?
- 手で体を支えて取る
- バランスを崩しながら無理やり取る
- 足で体を支えて取る
このどれかかな…と思います。
1と2はピアノを弾く時には使えない動きになります。
指で鍵盤を押さえているため、手で支えてしまうと手首に負担がかかったり、音が潰れてしまいます。
バランスを崩してしまうと、すぐ次の動作にいけないですよね。
ピアノを弾くときは常に次の動作に移っており、0.01秒後にはまた次の動作をしています。
足で支えられていることが大前提なのです。
椅子には深く腰掛けず、すぐに動けるように浅めに座ります。
足を置く位置、幅は?
足台を置いても、体が支えられていないとあまり意味がありません。
まだ体が小さいうちはいつでもすぐに立つことができる位置に置くことを伝えています。
肩幅程度には開いておきましょう。
そして内股にはならないように…
立つ時には人は前側に重心を持っていって立ちます。
ピアノも同様に前側に重心を持っていって弾くことが多くあります。
そのため、いつでも立つことができる=自分の体を足で支えられるということだと考えています。
ペダルを踏み出すと、また感覚は変わってきますが、まずはペダルを踏まないときの姿勢を気をつけてみましょう。
支えられる感覚が分かってくると、ペダルを踏む時にも、自然と支えられるようになっていきます。
私は両足をペダルにかけて弾くのが癖になっています。
体格によってベストな位置は変わってきます。
まだ体が小さいうちは足の支えは重要です。
足台の高さは?
足台の高さはどれくらいがベストなのでしょうか?
これも先程のいつでも立つことができる高さに関係してきます。
膝が大きく曲がってるよりかは、少し下目にセットしましょう。
膝が大きく曲がっていると結局お尻で支えてしまっていて、うまく重心移動ができません。
ギリギリかかとがつくかな…よりは数センチ上、少し膝に余裕がある高さが一番支えられると思います。
セットしてみて、椅子に浅めに座ってみて、立つことができるか試してみましょう。
ご家庭でご準備するならこの足台
足台…
といってもピンキリです。
コンクール用のものは音が静かであったり、滑り止めがしっかりしていたり、高さ調整がスムーズであったり、性能が良いため中々いいお値段がします。
ご家庭用であれば、
- 支えた時に滑らない
- 高さが調節できる
- 幅がある程度ある(肩幅よりプラス20cmくらい)
という条件を満たしていれば、良いかと思います。
自作してる方もいらっしゃいます。
私も小4頃にはちょうど良い高さの足台がなく、祖父に木材で作ってもらいましたよ。
お手頃な足台のご紹介
ご家庭で使えそうな、比較的お手頃な値段の足台をご紹介します。
YAMAHA社の足台です。
回転式なので自在に高さを調節できます。
甲南社のものです。
高さが8段階になっています。
微調整はできませんが、簡単に高さが変更できます。
こちらの足台では高さが合わなくなってきたら、アシストペダル付きのこのようなタイプもあります。
ペダルつき足台を検討されている方へ
最近では割と初めの方にペダルの指導があります。
「ペダル付きの足台を買ってしまった方が後々便利ではないか…」
と迷われる方も多いかと思います。
一番は師事している先生にお尋ねしてからご準備することです。
ペダル付きの足台は本当にピンキリです。
ペダルが硬かったり、逆に緩かったりします。
ちなみに私のお教室では上記のアシストスツールに足が届くまではペダルの指導はしません。
大体小学2年生ぐらいです。
「ペダルは運動神経が関わってくるので早期指導が良い」
など、さまざまな考えの先生方がいると思いますが私はペダルの指導は急ぐものではないと思っています。
理由は以下の通りです
- ペダルで遊んでしまう
- ペダルに頼ってしまう
- 支えができないままだとペダルはうまく使えない
特にペダルに頼ることだけは避けたい…。
ペダルを踏む理由はさまざまです。
しかし指でレガートに弾けないから誤魔化すために使うものではありません。
基本的には音色、響きのために使います。
それを理解する前からペダルを使ってしまうと、ペダルの響きが当たり前になってしまい、指でレガートを作れないままになってしまう場合があります。
そのため、私の教室ではある程度理解ができる年齢になるまで使用しません。
まずはしっかり体を支える癖をつけること、そしてペダルなしでレガート奏法ができることがペダル使用の条件としています。
これは私の考えなので、まずはご自身で判断せず、指導をしていただいている先生にお伺いしてみてくださいね。
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